HEALTH NUDGEの総合評価について
HEALTH NUDGEの記事の総合評価は、「5点満点」です。
世の中の健康記事を、HEALTH NUDGEの専門家それぞれが自身の専門的な視点で評価して、それをスコア化しました。
複数の専門家がスコアリングを行っている場合は、評価した専門家の人数と平均得点を表示しています。
「テーマの面白さ」について
「新規性や注目度、有用性などが高く、テーマが面白いといえるか?」を評価しています。
主な配点基準


「データの信頼性」について
「根拠となっている研究やその他の情報がどれだけ信頼できるか?」を評価しています。
主な配点基準
信頼性を検討する際は以下のような要素を検討します。それぞれの専門家の視点で、総合的に判断して5段階でスコアをつけています。
研究のデザイン
ヒトを対象とした研究か:薬や食品、治療法、健康法などが私たち一人ひとりにどの程度効果があるか、危険な影響はないかを判断するには、最終的には私たち人間を対象とした疫学研究を行う必要があります。動物実験や試験管で行った実験のみで、「健康に良い効果がある」と断言することは困難です。
動物実験などで興味深い結果が出ても、人間を対象とした臨床試験を繰り返すまでは断定的な結論は避けることが必要です。また、人間を対象とした疫学研究でも、そのデザインによって質が異なります(参考資料「研究のデザイン」をご覧ください)。さらに、1つの研究だけで結論を出すことにも慎重になる必要があります。様々な国や場所、年齢層などで複数の研究を繰り返して、どの研究でも一貫して同じ結果が得られるかどうかを検討します。
データの質
統計的な検討が可能なほど十分なデータ数がとられているか、データの欠損や質のゆがみ(バイアス)がないかといった点を考慮します。
利害相反の有無
研究を行った研究者が、研究対象となる薬や食品、健康法に関連する企業などと関係がある場合(研究費をもらっていたり、個人的なつきあいがあるなど)、その企業に有利になるように結果やその見せ方をゆがめてしまう場合があります。これを利益相反と言います。利益相反のある研究は十分に注意して読む必要があります。
※「データの信頼性」の得点が低いものが、研究のレベルが低いということではありません。例えば動物実験や少人数の研究が、1点にランキングされたとしても、基礎研究としてとても重要な研究です。一般の方が健康情報を読むという前提で、「たくさんの人の研究が集積された結果を選んで頂きたい」、という視点から専門家が、「データの信頼性」を評価しています。
「誤解されない表現」について
「事実解釈や結論に無理はないか?」を評価しています。特に、特定の薬や食品、健康法などを紹介している記事の場合、効果を過大解釈していないかに注意します。
主な配点基準


(参考資料)「研究のデザイン」
ここでは、健康分野にかかわる様々の研究デザイン(手法)をご紹介します。
- 試験管での実験
- 動物実験
- 少数(10人未満程度)の症例報告 (例:このドリンクの飲んだ人に、めまいの症状がみられた)
- ある一時点での関連をみた研究(例:赤ワイン摂取量と心臓病患者の人数)【横断研究】
- コントロール群のない前後比較(例:新薬を投与する前と新薬を投与した後で結果の違いをみる。)【前後比較研究】
- 病気になった人となっていない人の、過去の状況を探る研究【後ろ向き研究】
- 研究開始時点での参加者の状況の違いが、将来の結果に差があるかをみる研究。研究は数年から数十年におよぶ。(例:たばこを吸う人と吸わない人の20年後の肺がん発症率の違い)【コホート研究】
- 介入群とコントロール群をランダムに分けた介入研究(例:研究参加者をランダムに分けて、一方の群には新薬を投与し、もう一方の群には偽薬(プラセボ)を投与して、結果の違いを見る。偽薬を投与された人たちをコントロール群という。)【ランダム化比較試験(RCT)】
- 同じテーマの研究結果を集積して、傾向や1つの回答を導く研究【システマティックレビュー、メタアナリシス】
※同じ研究デザインであっても、人数や測定方法の違いなどで、科学的根拠の質が変わることがあります。