「朝型」「夜型」の原因は遺伝子にある?:8万9,000人以上の調査結果
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WIRED.jp
2016.02.14 UPDATE

(2016年2月6日 WIRED.jpより) 8万9,000人以上の遺伝子情報を分析した結果、「朝型」の人々には、15遺伝子の特定部分に共通した特徴があることがわかった。朝型の人は鬱病や不眠症になるリスクが少なく、肥満問題も少ないという。
元の論文はこちらになります→http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26835600
あまり疫学ではなじみのないジャーナルなので、元論文読むのは結構きつかったです。ちゃんと意味をつかみとれたかどうかは定かではありませんが、おおむねこの記事の通りです。
23andMeという会社はアメリカの遺伝子検査の会社で、送られてきたキットで自分の唾液を採取すると各種SNPを分析して数十種類の疾病罹患リスクなどの結果を送付してくれる、というサービスを行っています。2013年にこの検査キットの販売中止をFDAに求められ、今後どうなるかと思っていましたが、2015年には認可され、顧客からの膨大な遺伝子情報を基に創薬に繰り出すなど、最近時折ニュースでも見かけるようになってきました。実はこの会社、Googleが出資していたり、Google創業者の奥様が創業者に名を連ねていたりする企業です。
この顧客のデータベースからコホートを作成し、今回の研究は行われています。顧客は自分の遺伝情報を調べるくらいですから、かなり健康に興味がある方たちと見受けられますので、調査にも協力的だと考えられ、すごいもの作っちゃったな・・・というのが感想です。
ちょっと気になるのは、うつの診断が、過去にうつと診断されたことがあるかとだけしか聞かれていない点で、それがいつのことなのか、現在治療中なのかといった情報がない点です。これは睡眠時無呼吸症候群などもそうで、診断されたことがあるかないか、としか聞かれていません。せっかくなのでこの辺もう少し丁寧に聞いてほしかったなと思います。
また、何度も申し上げていますが、Wiredさんにおかれましてはぜひ元論文の引用をさらに詳しくお願いしたいです。
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