厚労省の調査に低所得者ウンザリ カネがないから「栄養取れない」「肥満になる」「煙草しか息抜きない」

健康・予防

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favicons?domain=blogos BLOGOS 2015.12.17 UPDATE

(2015年12月15日 BLOGOSより) 低所得者は高所得者に比べ、栄養バランスの取れていない食事をしている――。そんな調査結果が12月9日に発表され、ネットの話題になっている。厚生労働省が実施した「2014年『国民健康・栄養調査』」というものだ。 調査では、世帯所得を「200万円未満」「200~600万円未満」「600万円以上」の3つに区分。200万円未満の低所得者は600万円以上の高所得者に比べて、野菜の摂取量が男性で68.7グラム、女性で41.8グラム少なかったという。

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近藤尚己

東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者

厚生労働省は健康格差への配慮から、数年前から政府による統計「国民健康栄養調査」に所得や学歴の質問項目を追加しました。個人の置かれた社会背景により健康状態や栄養摂取状況がどの程度違うのかをモニタリングして、より健康格差の少ない社会を目指そうというわけです。

これ自体は素晴らしい進歩で、今後もぜひ続けていただきたいところです。

困ったのは、この記事にあるように、社会的に不利な人々をさらに追い込むようなコメントをしてしまったことです。所得が低い人ほど栄養バランスが悪いという調査結果に対して、

「所得が低い人は栄養バランスのよい食事をとる余裕がなくなっているのではないか。食事の内容を見直すなど健康への関心を高めてほしい」とコメントしたということです。

この厚労省のコメントはひどい。健康づくりのプロ集団として猛省していただきたい。「持たざる者を煽る文章としてこれ以上ないであろう後世に残る名文」と揶揄されて当然です。

そもそも論理的におかしい。栄養バランス考える余裕がない、そこに関心を寄せる余裕がないといっておきながら、それを見直せ、もっと関心を示せというのはどういう理屈でしょうか?

厚生労働省が提示している「健康日本21 第2次」では、個人に「こうあるべきですよ」と諭すような、個人の責任追及一辺倒な形の健康づくりの対策だけでは健康格差は減らない、として、健康に十分配慮できないような状況にある人でも、日本で生活していれば自然と健康になれるような社会環境の整備を進めることで健康づくりを進めるという方針に大きく舵を切り直しました。

今回のコメントからは、自らが掲げた理念を自らが十分理解していないのではないの?と疑われても仕方のない内容です。

健康づくりとは、数十年後の自分への投資行動のようなものです。今の生活の苦しみからどう抜けだせばいいのか、を考えることで精いっぱいの人、自分に数十年度の将来があるのかということ自体に確信が持てない人が健康づくりに関心を示すのはとても難しいことです。

省内でも様々な立場があり、一枚岩ではないのかもしれませんが、国民はそうは思ってくれません。一貫した態度で臨んでほしいものです。

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