大気汚染に焦る中国…「赤色警報」効果薄

健康・予防

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favicons?domain=www.yomidr.yomiuri.co yomiDr(ヨミドクター) 2015.12.11 UPDATE

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(2015年12月10日 yomiDr(ヨミドクター)より) 深刻な大気汚染に見舞われている北京では9日も、最も厳しい「赤色警報」発令に伴う車両規制などの緊急措置が続いた。  しかし、汚染状況の改善はほとんど見られず、対策の手詰まり感も漂う。習近平シージンピン政権は、汚染の長期化に対する国民の不満が体制に向くことに警戒を強めている模様だ。

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大西一成

山梨大学大学院総合研究部附属出生コホート研究センター 特任准教授  博士(医学) 環境疫学 公衆衛生学

 中国大陸の大気汚染の問題で、PM2.5の濃度が1立方メートルあたり800〜1000マイクロ・グラムという状況がありました。その状況に、なぜ赤色警報が出ないのだと国民の不満が募ったのちに最高警報である赤色が出たという背景があります。習近平政権は、短期的措置を講じたが、1立方メートルあたり200~300マイクロ・グラムが続いて、中国の環境基準値の75マイクロ・グラムにはほど遠いという内容です。(日本の環境基準は35マイクロ・グラム)

 2013年1月に北京駐在アメリカ大使館が、北京のPM2.5濃度が850マイクロ・グラムということを公表してから、世の中に認識されたPM2.5ですが、日本のテレビで報道するときだけ中国大陸のPM2.5が高いわけではありません。今年はCOP21がフランスで開催され、環境問題が注目されました。そこでマスコミ各社が再びPM2.5のニュースを報道しているという状況があります。
 昨年のこの時期にも、1000マイクロ・グラムを出した地域は少なくありませんでした。つまり、今回ニュースで騒いでいるだけというよりかは、昨年、日本がニュースで大きく取り上げなかったこと、中国大陸において赤色警報が(意図的に)出ていなかった点に問題があると考えます。

 中国大陸の大気汚染問題は深刻です。PM2.5濃度が高いことはもちろんですが、PM2.5の成分に有毒なものが多いことがこの問題を深刻化しています。
中国の大気汚染物質濃度が高く、その一部が日本へ飛来してきていることは証明されています。日本のPM2.5濃度は中国に比べるとはるかに低いということも事実です。ところが、日本人の生活の質は高くなっており、20マイクロ・グラムでも体調の不具合を訴える人も少なくありません。(ただし他の要因による体調の不具合である可能性は否定できません)
また、PM2.5は、大気中の微小粒子状物質のトータルですので、越境由来のものも地元由来のものも含まれています。微量濃度の短期暴露の健康影響に興味のある日本では、地元の汚染についてもさらに注視されるべきです。

 ちなみに、PM2.5の計測機の採取口に、タバコの煙(副流煙)を吐き出した時のPM2.5の値が、だいたい1立方メートルあたり1000マイクロ・グラムなのです。(タバコの吸い込み具合によっては、さらに大きな値になります。)

PM2.5問題は、中国大陸の話と合わせて地元の大気汚染問題さらには、タバコの問題も考える必要があると思います。

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