血液製剤不正、40年前から 第三者委「組織的隠蔽」
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朝日新聞デジタル
2015.12.04 UPDATE
(2015年12月3日 朝日新聞デジタルより) 血液製剤やワクチンの国内有力メーカー「化学及(および)血清療法研究所」(化血研、熊本市)が国の承認と異なる方法で製品をつくっていた問題があり、化血研は2日、第三者委員会の報告書を公表した。報告書は、不正は40年以上前から始まり、血液製剤12製品すべてで行われ、虚偽の製造記録を作成するなどして組織的に発覚を免れていたと認定。「常軌を逸した隠蔽(いんぺい)体質」と批判した。
大変悲しく、陰鬱な気分なりました。
以下は感想のようなコメントになってしまいますが・・・
このニュースを聞いたとき一瞬耳を疑いました。ずいぶん前の事件のことを振り返った報道なのかと思ったら、今まさに明らかになった事実なのですね。
薬害エイズ事件は、製薬企業の情報隠ぺい等により血友病患者さんたちがHIV感染の危険のある血液製剤の使用を中止しなかったために、国内に当時約5000人いた血友病患者さんのうち約2000人もがHIVに感染してしまったという事件です。化血研はその被告製薬企業5社の一つです。
十分反省し、クリーンな経営がてっきり行われているのかと思っていましたが、今も同じような体制のままだったとは。
しかも、隠ぺい工作が本格化した97年というのは薬害エイズ訴訟が結審した年です。そこから隠ぺい工作をはじめた、ということは、事件を反省して構造改革をしようという意図がなかったことを意味しています。
薬害エイズ事件の原告の皆さんはさぞお怒りのことと思います。
法による裁きが下っても犯罪を生む組織構造を変えられないとすれば、どうやって今後このような構造的な健康被害を防止していけばいいのでしょうか。頭の中がまだ白いままです。
私見ですが、化血研は今も多くのワクチンや抗がん剤などを製造・販売している製薬会社です。法の裁きで改善しないのであれば、解散するしかないのかな、と思います。
メディアはセンセーショナルな報道をするだけではなく、じっくり取材して解決の糸口づくりに貢献していただきたい。
また、薬害エイズ事件の被害者・原告で現在参議院議員としてご活躍の川田龍平さんをはじめ、政治の立場からもしっかりと検討していただきたいです。
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佐々木 由樹
管理栄養士 健康運動指導士 MPH(公衆衛生学修士)
新聞の一面にも載っていたニュースですね
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