歯科医に聞いた、約18万円の差が出るかもしれない歯磨き習慣

健康・予防

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favicons?domain=www.lifehacker ライフハッカー 2015.11.23 UPDATE

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(2015年11月19日 ライフハッカーより) 普段気にも留めていない歯磨きですが、将来的には大きなお金が関わってくる習慣だと知っていましたか? 「最低1日1回、しっかり歯磨きをすれば、自分自身に対する投資になる」。そう語るのは、歯科医院「パール歯科クリニック」の院長を務める大原庸子先生です。大原先生が問題視するのは、「磨いたつもり」になってしまっている人が多いこと。歯磨きの回数自体はむしろ重要ではないそうです。

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渡邊亮

神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーションスクール設置準備担当 

 歯を磨くことは大切ですし、歯の健康は全身の健康にも効果があることは様々な研究があるのですから、この記事の趣旨そのものは尊重されるべきでしょう。ただ、今回は少し別の観点として、「ニュースの読み方」を考えてみたいと思います。

 まず、この記事は、通常の新聞記事などと決定的に異なる事があります。それは、この記事が新聞で言う【記事広告】であるということ。実際、この記事の上部には"Sponsored"と記されていて、この記事掲載に広告費が支払われている旨が明記されています。記事広告自体が悪いことではありませんし、しっかりと記事広告であることの掲示があるので、そのこと自体は差し支えないでしょう。ただ、誰かが「お金を出して」この記事掲載に至ったということは、誰かが「この記事を載せて欲しかった」、つまり何らかの利害関係者がいるということです。今回は、記事の中に歯ブラシの紹介と商品へのリンクがあるのでとても利害関係者が分かりやすいですが、中にはそうでない記事もあったりしますので、記事の中立性や正確性には十分な注意が必要です。

 それからもう1点、この記事には具体的な金額と共に、歯の健康が「生涯支払う歯科費用」を左右するという点が、歯科医師のコメントを引用する形で示されており、タイトルの記事にも用いられています。これは信用に足る情報なのでしょうか?

 この情報の源は特に示されていませんが、どうやら香川県歯科医師会などが中心となって香川県で行った調査結果に基づいているようです。この調査結果によれば、どうやら「“年間”の"総医療費"」が、「20本以上」の人は平均約364,600円だったのに対して、残存歯数「0~4本」の人は平均約541,900円だったということのようです。
https://www.kenko-niigata.com/21/step2/sp_kuchi/kensamanyuaru/p1-p8.pdf
http://ci.nii.ac.jp/naid/50006662289

 さて、そうだとすると、今回の記事には幾つか不正確な情報があるようです。記事の中では「亡くなるまでに歯が20本以上残っている人が生涯支払う歯科費用」とありますが、上記の調査結果を解釈するのであれば、「歯が20本残っていた人の昨年1年間の総医療費」が平均約36万5千円、「0~4本残っていた人の昨年1年間の総医療費」が平均約54万1千円だったのです。「生涯」ではなく「昨年1年間」なので大きな違いですね。さらに、ここでいう「医療費」とは、患者さん本人が支払う費用のことではありません。皆さんが治療を受けた場合に医療機関で支払うのは、通常は実際にかかった費用の30%(年齢や経済状態などで異なることもあります)で、残りの医療費(通常70%)は保険者(国民健康保険や健康保険組合など)が医療機関に支払うのです。つまり、この記事で指している医療費は、患者さんが支払う金額とは全く別のものです。これらは、元の調査結果を適切に理解できておらず、誤解に基づいた記載になっているようです。

 また、元の調査に関して詳細な情報が分からないのですが、もし上記調査結果が、年齢などを考慮せず、単純に"歯が20本以上残っている人"と"0~4本の人"とで医療費を比較をして、「歯が少ない人は、歯が多く残っている人よりも医療費が掛かる」と結論づけているのであれば問題です。だって考えてみて下さい。歯が少ない人の割合は、高齢者で多く、歯が多い人の割合は、若年層で多いはず。高齢者は、歯の問題に関わらず、一般的に病気を抱える割合が多く医療費も高い。つまり、歯が少ない人で医療費が高いと言うよりも、高齢者では医療費が高くて残っている歯の数も少ない一方、若年層では医療費が低くて残っている歯が多い、ということが示されているだけに過ぎない可能性があります。

 今回の記事では少し意地悪な感じのコメントになってしまいましたが、このような記事を読むときには、「記事の中立性」「記事の内容の情報源」「記事の正確性(元情報が正確に反映されているか)」「情報源自体の正確性」について意識すると良いかも知れませんね。

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