アルコールで乳がんリスクが高まる、米国ハーバード大が報告
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Medエッジ
2015.09.15 UPDATE

(2015年9月12日 Medエッジより) アルコールを多く飲むほどに、乳がんリスクは高まっていくようだ。
自他ともに認めるアルコールが大好きながん疫学者の私ですが、大変耳の痛いニュースです。でも事実です。20個もの大規模研究データを集めて出た結果です。これはかなり確実です。
この研究で示されている1日のアルコール摂取量30g以上と言えば、日本酒で言えば約一合、ビールでいえば大瓶一本あるいは1パイント強。そんなん飲み始めたらあっという間です。。。
これだけの人数のデータなので、お酒の種類毎の分析もされています。どのお酒でもあまり差はないようです。エストロゲンというホルモン受容体の陽性、陰性に関わらずアルコール摂取量に関連。
この記事の最後のお言葉「飲むのが好きな人は知っておくと良いかもしれない」
はい、肝に銘じます…
「総合評価」に関して
HEALTH NUDGEでは、ご紹介する記事に関して、専門家の方々が3つの視点から評価をしています。
テーマの面白さ
新規性や注目度、有用性などが高く、テーマが面白いといえるか?
データの信頼性
根拠となっている研究やその他の情報がどれだけ信頼できるか?
誤解されない表現
事実解釈や結論に無理はないか(特に効果を過大解釈していないか)?
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河合奈々
気をつけます。はぁ、体が悪くなる事ばかり毎日やってしまう……。
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松尾恵太郎
愛知県がんセンター研究所 遺伝子医療研究部 部長 医師 博士(医学) 疫学修士 日本疫学会 理事
ハーバードのこの研究に限らず、飲酒と乳がんの関係は一貫した関連が示されていますね。WHOの下部機関である世界がん研究期間IARCでも「飲酒による乳がんリスク上昇」が言及されています。
http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol96/mono96-5.pdf
日本でも既存の疫学研究のレビューをしておりますが、現時点では確実というような判定にはなっておりません。
http://epi.ncc.go.jp/cgi-bin/cms/public/index.cgi/nccepi/can_prev/outcome/index
が、私のやった研究ではリスクが増える(1日23g以上(日本酒1合、ビール500ml程度)で、約1.4倍という結果を得ております。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23183091
この数十年間、乳がんにかかる人(年齢調整罹患率も)がひたすら増えており、その背景に女性の飲酒者増加はそれなりに寄与していると私は考えます。
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