強い技術と確たるニーズ、勝てる東大発ベンチャー

病気・医療

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favicons?domain=techon.nikkeibp.co 日経デジタルヘルス 2015.08.27 UPDATE

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(2015年8月26日 日経デジタルヘルスより) 大学発ベンチャーとなると、高い技術力に関係者の期待が集まる。特に東大発ベンチャーとなれば、それだけでもかなり話題になるベンチャー企業が多い。ただし、技術が優れていることと社会のニーズを満たすことは違い、決して技術だけで成功するわけではない。  現にすごいすごいと言われながら、実際「それ誰が使ってんだ?」と思う話題のベンチャーもある。そんな中、独自の技術力がどんぴしゃり社会ニーズにマッチしている実力派の東大発ヘルスケアベンチャー企業を紹介したい。設立2年目のエルピクセル(LPixel)だ。

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柿崎真沙子

藤田保健衛生大学医学部公衆衛生学 講師 博士(障害科学)

 大学発のベンチャー数は、2001年の大学技術移転促進(TLO)法の制定以降増加傾向を示しています(参考資料:「大学発ベンチャーに関する基礎調査」実施報告書.平成 21 年 3 月 株式会社 日本経済研究所:http://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/fy20vb.pdf)。

 このTLO法とは、TLO(Technology Licensing Organization(技術移転機関))と呼ばれる、大学の研究者の研究成果を特許化し、それを企業へ技術移転することで、産と学の「仲介役」の役割を果たす組織の、設立を政策的に支援する法律です。大学では研究によりさまざまな技術が生み出され、新規産業へのシーズとなることが考えられますが、その技術を特許化し、民間企業へ移転する(ライセンシング)するTLOの設立はTLO法施行以前はなかなか活発になりませんでした。また、TLOが設立されることで民間企業への技術移転が容易となり、大学発の技術を元にしたベンチャー企業の設立も活発化してきました。

 一方米国では、1980年に連邦政府の資金で研究開発された発明であっても、その成果に対して大学や研究者が特許権を取得することを認めたバイ・ドール法が制定され、産学連携の推進や中小企業の中小企業による公的研究への参加促進がもたらされました。この法律の制定を境に、大学の技術移転活動や産学連携が活発化したと言われています。1998年に設立されたGoogleもスタンフォード大学発の検索エンジン・ベンチャーですね。また、2004年に設立されたFacebookもハーバード発ですね。

 米国から20年近く後れを取っていた日本ですが、最近では2013年末にGoogleが買収したSHAFTのようなベンチャー企業も出現するなど、大学発のベンチャー企業に注目が集まっています(参考:東大新聞オンライン「SCHAFT開発とGoogleの買収、ロボットビジネスの今 稲葉雅幸教授インタビュー2」http://www.todaishimbun.org/inaba1117/)。ほかにも、慶應義塾大学発のベンチャーで、クモの糸を製品化したスパイバー(http://www.spiber.jp/)など話題になるベンチャーは数えきれません。

 特許や技術は疫学や公衆衛生とはなかなかなじみのない分野ですし、日常生活でもなじみの少ない分野ではありますが、ちょっと探してみると思いもよらない技術の製品化のために、日夜頑張る研究者や技術者がたくさんいて、わくわくします。それを取り囲む投資家のお話や知財に関する攻防も聞いているととても興味深いです。

 とはいえ、「特許取得!」と派手に書いてあっても、「特許」と「科学的なエビデンス」は全く別物ですので、注意してくださいね。特許とは、有用な発明の権利を持っている個人や団体が一定期間その発明を独占的に使用しうる権利、であって、「有用な発明」に科学的根拠があるかどうかは問われません。「特許」という魔法の言葉に騙されないようお気を付けください。

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