基本的に数学得意なのは女子、男子が理系に多いのは「数学得意」の思い込みから

出産・育児

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favicons?domain=www.mededge Medエッジ 2015.07.09 UPDATE

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(2015年7月8日 Medエッジより) 基本的に数学得意なのは女子で、男子が理系の進路や仕事を選ぶのは「数学が得意」という思い込みからであるようだ。  米国のワシントン州立大学の研究グループが、性別と役割についての国際誌であるセックス・ロール誌2015年6月号に報告している。

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奥原剛

大学病院医療情報ネットワーク研究センター 東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野 特任助教 MPH(公衆衛生専門職)

男子は女子より自分の数学の点数を高く見積もり、数学の能力に自信を持ち、理系の進路を希望する傾向が強かった、という記事。対象者が200人弱の研究なので、タイトルにある「基本的に数学が得意なのは女子」とは言えません(例えば小学生の理系科目の点数で男女差ってあるんでしょうか?)。しかし、「前向きの幻想の意義」は昔から研究されていて、有能感(コンピテンシー)やポジティビティ・バイアスと呼ばれています。有能感は「自分は○○が得意だ」と感じる自信のことです。

人情物の時代小説でファンの多い作家の山本周五郎は、貧しい家庭に生まれましたが、小学校で先生に作文を褒められ、作家を志したそうです。書くことへの有能感が芽生えたのでしょう。

「スポーツ選手になるなら、春から初夏に生まれるのが有利?」というのは2005年の朝日新聞の記事の見出しです。奈良県の少年スポーツクラブのコーチが、日本のプロ野球とJリーグの選手約1300人の誕生月を調べたところ、4~6月生まれが4割を占め、7~9月生まれは3割、10~12月生まれは2割、1~3月生まれは1割だったそうです。Jリーガーになれる確率は、春生まれと早生まれだと72倍の開きがあるとの結果。理由は、春生まれの子供は成長が早い分、運動もできるので、「自分はスポーツが得意」という有能感を持ちやすいのかもしれません。

アメリカで、教師が学生に「青い目の人間は茶色い目の人間より優秀なのだ」と教えると、青い目の学生の成績が上昇し、今度は反対を伝えると形勢が逆転した、という報告もあります。また、インドで子供たちにカーストを名乗らせてから問題を解かせると、カーストで成績に差がついた、とか。自信を感じるとドーパミンが出て記憶力や注意力が高まり、反対にストレスを感じるとコルチゾールが出て思考や記憶が阻害される、などの理由が推測されます。

「偏差値の高い学校に入ると、周囲と自分を比べて有能感が低下し、一方、実力より偏差値の低い学校に入ると有能感が高まる」という傾向は1960年代から研究されていて、「大きな池の小さな魚になるより、小さな池の大きな魚になる方が良い」という意味で、「小さな池の大きな魚効果」と呼ばれています。

教師が期待をかけた子供には称賛やほほえみや指名を多く与える結果、実際にその子供の成績が上がる「教師期待効果」や、その反対に期待されない子供の成績が下がる「ゴーレム効果」もあるようです。

これらをつなぐキーワードは「有能感」です。他者に対しては「できる」と信じて有能感を高めてあげること(コーチングでもそう言いますよね)、また自分に対してはちょっとした幻想を持つことも大事、そして、劣等感を抱かないように自分よりできるヤツとはつるまないこと…???笑

ちなみに、前述の「山本周五郎」はペンネームです。彼は小学校を卒業すると質屋に丁稚奉公に出ました。その質屋の主人の名が「山本周五郎」で、主人は周五郎を見込み学校に通わせるなど、作家として自立できるまで物心両面にわたり支援したそうです。この主人の支援によっても周五郎の有能感は高まったかもしれません。「山本周五郎」という筆名には、かつての主人への感謝が込められているとの説があります。

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