【健百】働く女性の死亡リスク、常勤よりもパートや自営で高い
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あなたの健康百科
2015.07.08 UPDATE

(2015年6月30日 あなたの健康百科より) 日本の働く中高年女性1万7,000人を調べた研究(JACC study)から、常勤の女性よりもパートや自営の女性の方が死亡する危険度が高いことが分かったと、大阪大学大学院医学系研究科の本庄かおり特任准教授(公衆衛生学)が報告した。死亡リスクはパート勤務で1.48倍、自営業でも1.44倍だったという。詳細は、6月4日発行の公衆衛生専門の国際誌「Journal of Epidemiology & Community Health」(電子版)に掲載されている。なお、日本の女性を対象に就業の形と長期の死亡リスクとの関連を検討した研究は、今回が初めて。
本研究は約20年と言う長期追跡の結果、
”年齢や住んでいる地域、教育レベル、結婚、子供の数などの影響を取り除いて分析した結果、死亡リスクは常勤に比べてパートタイムで1.48倍、自営業で1.44倍高かった。就業の形と死亡リスクの関連は、特に教育レベルが低い人たちで強かったという。”
だったそうです。
この記事には既に研究の様々な限界も明記されており、また掲載されている雑誌名を明記されており、信頼性の高い記事だと感じました。
ですが、記事が触れていない点で私が気になる点をもう1点だけ言及します。
この研究では、雇用形態の評価は20年前です、つまり1990年ころでしょうか。
1990年ころの雇用形態と、現在の社会における女性の雇用形態はかなり変化していることでしょう。
例えば、女性で常勤職員である人(いわゆる正社員)は、1990年と2015年ではかなり特徴が違うのではないでしょうか?
1990年は、いわゆる「女性の社会進出」は進んでおらず(まぁ未だに全然進んでいるとは思えませんが・・・)、当時、いわゆる正社員として働き続けていたような人は、ごく一部の人々(主に教諭含めた公務員?)ではないかと推測します(まぁ今もですかね・・・)
ですので、同じ「正社員」といっても、1990年におけるそれと2015年におけるそれが持つ健康に与える影響は異なる可能性は結構ありそうかなと記事を読みながら個人的には感じました。
女性の就業に関しての統計的な資料は以下が詳しいかなと思いました。ご参考まで。
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h24/hakusho/h25/html/n1213000.html
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