医療費抑制へ病気予防に重点を…中村・シカゴ大教授

健康・予防

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favicons?domain=www.yomidr.yomiuri.co 読売新聞 2015.06.26 UPDATE

(2015年6月25日 読売新聞より) 民主党政権で内閣官房医療イノベーション推進室長を務めた中村祐輔・米シカゴ大教授は24日、東京都内で開かれた読売国際経済懇話会(YIES)で講演し、「国家戦略として、病気を治療するメディカルケアから、病気を予防するヘルスケアに重点を移す必要がある」と述べた。  中村教授は、社会の高齢化で膨らむ医療費をどうするかは「国の存立に関わる非常に重要な問題」としたうえで、「質を落とさず、最先端の医療を提供しながら、医療費を削減しなければならない」と指摘した。

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坪谷透

東北大学大学院歯学研究科 助教、博士(医学)、医師

中村氏のおっしゃっている以下の理屈(=効かない医療をやらない!)は理解できます。
が、まさに今、現実にそのような技術は現実的には存在しないというのが私の理解です(少なくとも一般的には)。

”一人ひとりの体質に合わせたオーダーメイド医療の重要性を強調。薬の効果や副作用を予測することで、無駄な投薬や副作用を避けられると説明し、「医療費の有効活用の切り札になる」と話した。”


医療費のピークは、人口ピラミッドから考えると、(様々推計はありますが)2040年ころと言われています。
上記のような基礎的な術開発によるイノベーションは、非常に時間がかかります。そもそも成功するかも不明です。
また仮にできたとしても、それはごく限られた分野で、しかもそれを行うためにも更にコストがかかるでしょう。
新しい技術は多くがコストが高いです。
医療費を減らすには、その新しい素晴らしい高額な技術が、一般に普通に廉価で行われるようになる必要があります。
このようなことが例えば10年以内に起こり、様々な分野で一般に選別するような医療が普及できる!と言うならまだ医療費削減の方法として現実的かもしれませんが、そうでなければ(まぁそうでないでしょうけど)、上記の中村氏のアイディアに大きく依存するのは、どうなんでしょうねぇと個人的には思います。

上記のような夢物語もよいとは思います(研究者は遠い将来の夢を作ることも仕事です)が、政府は、もっと現実的なことをすべきではないでしょうか(夢を見るのは研究者に任せて政府は夢ではなく現実を見るべきです)。

例えば、日本中で大量に行われていることでその効果怪しいことを再検証してカットしていくべきと思います。総論では分かりにくいのでいくつか具体的に例を挙げます。

1)一般健診(がん検診ではないです)の廃止
一般健診の効果は、世界中で議論されています。私の認識では、少なくとも何も病気も症状もない健常者を対象に毎年採血までする健診をしている国は日本くらいではないでしょうか。
メタボ健診や産業保健のメンタルチェック、あれにいったい毎年何億円(兆円??)使われているのかわかりませんが、それらが効果があるという議論を私は聞いたことがありません。ご存知の方がいたら是非教えてください(注:個人的な体験談は、政策の効果ではありません)
健診の費用は、日本の医療費の計算には計上されない(その計算も国際的にはおかしいと思うのですが・・)と思いますが、健診により少なくない医療需要は確実に増えますので、健診は確実に医療費を増やしています。効果は不明です。私が理解している限りでは、健診の効果が無かったという論文は、一流国際医学雑誌に過去に何度も出されています。なぜか日本ではあまり報道されません(なぜ???、>メディアの方??)


2)収載する処方薬の見直し
保険収載されている薬で効果がアヤシイ、デメリットとの比較でデメリットの方が多いという薬はたくさんあります。例えば、かぜ薬が例です。風邪薬の効果は、人を対象とした厳密な試験では検証されていないと理解しています。内服しても治療期間は変わりません。医師は処方箋で風邪薬を出せないような国もあります、非常に合理的な判断です。
ここで言う風邪薬とは、鼻や喉だけではなく、お腹の方も同じですね。吐き気止めや整腸剤を薬局で買えるようにすればよいと思います。
風邪薬を求めた外来受診は、医療費も増やします。特に冬はそのような患者さんが非常に増えるために、本当に医療が必要な人への医療アクセスを阻害します。医療者の健康悪化も引き起こします(更に医療アクセスが悪くなる)。
インフルエンザの薬も同様です。小児や高齢者などへの処方は良いでしょうが、特に持病もない成人への抗インフルエンザ薬の処方は、保険給付から外されることがグローバルスタンダードかと思われます。日本は世界のタミフルの4分3を使っていると言われています。

”ロシュが2005年11月、米食品医薬品局(FDA)に提出した資料によると、タミフル発売後5年間の販売量は、日本が世界全体の4分の3を占めた。”
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-KUH6HT0YHQ0Z01.html

日本の人口は世界人口の50分の1くらい(2%)なのに75%のタミフルを使っているようですね。
明らかにおかしいと思うのですが。

3)処方箋のrefillの許可
これまさにいま議論されているようですが。
要するに同じ処方箋で、薬を例えば3回までもらえるということです。
高血圧などで、症状に変わりないのに毎月受診するようなことは、医学的には必要ないでしょう(毎月の必要!と言う医者もいますが、その発言に科学的根拠は無いと私は理解しています)。
また、これにより「薬だけ処方してもらう」という違法なこともなくなるでしょう。


以上により、医療者の仕事は管理減ります。
医師不足と言われていますが、まずは上記をやることで、医師のお仕事を減らすことも、医師不足の有効な対策だと思います。
医療費も減るので一石二鳥ですよね。
なぜこれらが進まないのでしょうかね??(まぁこれ以上は敢えて書きませんが・・・)

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