アメリカで規制される「トランス脂肪酸」、日本でも規制すべきか?
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THE PAGE(ザ・ページ)
2015.06.22 UPDATE

(2015年6月20日 THE PAGE(ザ・ページ)) アメリカの食品医薬品局(FDA)が16日、マーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」の発生源となる油の食品への使用を、2018年以降原則禁止すると発表した。日本の加工食品にも含まれているトランス脂肪酸だが、日本でも今後規制すべきなのだろうか。
「アメリカが規制するなら、日本も規制だ! 」ではお粗末過ぎます。なぜなら、日本人はトランス脂肪酸の摂取量が少ないから。WHOが勧告している総エネルギーの1%という数字に対して、日本人の男性は0.13%、女性は0.16%。摂取量の多いとされる若年層でも0.2%以下なのです(食品安全確保総合調査)。
確かに記事に書かれているように、一箱で1%を越えるお菓子もありますし、摂取量を越える食生活を送っている人もいるでしょう。しかし、お菓子全体、日本人全体の中でそれらの存在の割合が高くないのなら、トランス脂肪酸を国として規制するという決定は、他の不利益の方が大きくなってしまうように思います。例えば、トランス脂肪酸が含まれる可能性のある食品は全て検査しなくてはいけなくなったとしたら…。日本人全体のトランス脂肪酸の摂取量が多く、個人レベルでコントロール出来ない状況であるのならば、製造者側も巻き込んだ規制が必要になるでしょう。しかし、現状では数値的にそのような危機的な状況は見当たりません。
まずは、ファーストフードをよく利用する人や市販のケーキやビスケットをよく食べる人などに対して、トランス脂肪酸が健康に与える悪影響を知らせたり、食生活の見直しを促すような指導を行なうことが先決ではないかと私は考えます。
食品安全確保総合調査
http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20110010001
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Yuu Sugawara
僕はほぼ摂取してないですね。
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坪谷透
東北大学大学院歯学研究科 助教、博士(医学)、医師
規制する場合には、その正の効果だけではなく、負の効果も議論されるべきだと思いますが、トランス脂肪酸の議論では、後者を私はあまり聞きません。
正の効果は言わずもがな、健康影響ですが、負の効果として、日本ではバターが品薄で、マーガリン(トランス脂肪酸を含む)が代替品となっているようですね。
要するに現状のままトランス脂肪酸を規制すると、さらにバターの需要が高まるわけですが、日本はバターの国際産業保護のために輸入を規制していると聞きました(コメのようなものでしょうかね)。
恐らくバターの輸入を解禁してからではないと、マーガリンを使っている産業で結構な混乱が起こるのではないでしょうか。
社会が困らない状況で規制してほしいものです。
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佐々木 由樹
管理栄養士 健康運動指導士 MPH(公衆衛生学修士)
アメリカでは、トランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー摂取量の2.6%(記事本文に記載の数字を引用)なので、日本人の摂取量の10~15倍くらいです。
摂取源は、国によってかなりばらつきがあるみたいです!(食品安全確保総合調査より)
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Kouhei Ohkawa
日米の量的違いを徹底的に比較してみたらどうなんでしょうか?なぜか情緒的な説明しかしていない気がします。
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