便秘対策は水溶性・不溶性食物繊維をバランス良く含む果物で
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日刊ゲンダイヘルスケア+
2021.10.31 UPDATE
うんち記録アプリ「ウンログ」(東京)が昨年4月、利用者3000人に行った調査によると、コロナの影響で生活スタイルが変わりストレスを感じている人の51.3%が、排便やうんちの状態が「変わった」と回答したという。そのうち便秘になった人は43.3%で、排便回数が減った人が56.0%。 便秘対策として、意識して摂取したいのが食物繊維。消化されずに大腸まで運ばれて善玉菌のエサとなり、善玉菌の増加が期待できる。食物繊維は野菜、果物、穀類、豆、きのこ、海藻類などに豊富に含まれるが、毎日手軽に取るなら、キウイはどうだろう。
便秘対策のために水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランス良く含むキウイフルーツを食べることを勧めている記事です。
食物繊維とお通じの関連については、国内外で多くの研究成果があり、食物繊維摂取量が多いと便秘になりにくいことや便量が増加することが分かっています。便秘対策として食物繊維の摂取を推奨するこの記事の内容は信頼できるものと考えます。
私たちがスーパーマーケットでよく見かけるキウイフルーツにはグリーンキウイとゴールドキウイがあります。食物繊維をより多く含むのはグリーンキウイで、可食部100gあたり不溶性食物繊維2.0g、水溶性食物繊維0.6gを含んでいます。不溶性食物繊維は腸で水分を吸収して膨らみ、便量を増やすとともに蠕動運動を活発にして便通を促進します。水溶性食物繊維は腸内細菌によって発酵・分解されて短鎖脂肪酸になり、腸内のpHを低下させて腸内環境を整えます。また、腸内の善玉菌のエサとなり善玉菌を増やします。
キウイフルーツなどの果物は食物繊維以外にもビタミン、ミネラルの補給に役立ちますし、カラフルな色彩で食卓を豊かにしてくれます。しかし、清涼飲料水や菓子類ほどではないものの、食べ過ぎてしまうと果糖の過剰摂取に繋がり、肥満や糖尿病、中性脂肪増加を引き起こします。この記事では、キウイフルーツの魅力を伝えるために、グリーンキウイ2個を1日2回、健常者に食べさせたところ、排便頻度と便の軟らかさが増したという海外の研究結果を示していますが、この量は摂り過ぎになってしまいます。果物は1日200g程度が望ましいでしょう。
納豆やゴボウ、ブロッコリー、ホウレンソウ、ニンジンなどの野菜の食物繊維含有量はキウイフルーツに匹敵、またはそれ以上です。キウイフルーツの手軽さは魅力的ですが、1つの食べ物で栄養を補おうとすると偏りが生じてしまいます。やはり、いろいろな食べ物を取り入れていきたいですね。
【参考文献】
文部科学省 食品成分データベース
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