甘すぎる飲み物が腎臓を害する理由、「果糖ブドウ糖液糖」に要注意
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ダイヤモンド・オンライン
2020.06.23 UPDATE

甘味飲料の中には腎臓を障害するリスクを持つものがあることが報告された。果糖(フルクトース)コーンシロップで甘く加工したソフトドリンクを摂取すると、腎臓内部の血管抵抗が有意に上昇するという。米ニューヨーク州立大学バッファロー校のChristopher Chapman氏らの研究の結果であり、「American Journal of Physiology. Renal Physiology」4月6日オンライン版に掲載された。 高果糖コーンシロップ(high-fructose corn syrup;HFCS)は、「果糖ブドウ糖液糖」などと表示される食品添加物で、ソフトドリンクを甘く加工する際などに用いられている。Chapman氏らは、このHFCSが添加されたソフトドリンクの腎臓に及ぼす影響を調べるため、二つの研究を行った。 まず一つ目の研究は、13人の健康な成人(平均年齢22±2歳、10人が男性)に、500mLのHFCS添加ソフトドリンク、または同量の水を摂取してもらい、超音波ドプラ法で腎臓の血管の血流や血管抵抗の変化を検討した。
高果糖コーンシロップ(HFCS)は、日本語では「果糖ブドウ糖液糖」と表記される、甘い飲み物等に使われることのある食品材料の一種です。
このHFSCを飲んだ場合、腎臓の血管に好ましくない変化が生じた、という2報の研究論文を紹介して、HFCSが腎臓を害する可能性という見出しで記事化されています。
けれども、
根拠として紹介されている研究は、まだ2報であること、
対象者は13人と12人で、比較的小規模であること、
調べたのは飲んだ直後の腎臓の血流の状態などで、腎臓の障害が出るかどうかの長期の検討は行っていないこと、
などから、まだ可能性が示された段階だととらえるのがよさそうです。
本当に腎臓に障害が現れるのか、今後の研究を待ちましょう。
一方で、だからといって今のところ甘い飲み物を大量に飲んでもよい、というわけではありません。
それによってエネルギーをとりすぎれば肥満になり、別の生活習慣病のリスクが高まります。
甘いものはほどほどに、ですね。
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