92人の死から見えてきたものは
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NHK
2019.12.28 UPDATE

台風19号による豪雨被害から1か月。全国で92人が亡くなり、3人が行方不明のままです。 災害担当の記者として、何を伝え、どのような呼びかけをすれば少しでも被害を減らすことができたのか…。 犠牲になった方が被害にあった場所や状況を詳しく調べることで、課題や教訓を導き出せないかと私たちは調査を始めました。 そこで見えてきたのは、「ハザードマップの限界」と「災害時に社会をどう止めるのか」という2つの大きな課題でした。 (台風19号取材班・社会部記者 藤島新也・ネットワーク報道部ディレクター 田中元貴) ※分析には、令和元年11月12日現在の情報を用いた。
日本全国に大きな爪痕を残した台風19号。その台風により亡くなった92人の方の亡くなった場所、死因を分析した結果についての記事です。
今回の災害では、死亡した人の7割がハザードマップで危険性が指摘された場所で死亡していたということで、逆に言えば3割は想定外の場所で死亡していたということになります。なぜ想定外だったかというと、実は「中小の河川」は、事前の想定を行う対象になっていないからということでした。
また、今回の災害では、「仕事中」「通勤・帰宅中」に被災した方が全体のおよそ15%、「避難中」や「避難呼びかけ中」など、屋外での移動中に被災した方も役20%となったということです。
このような分析は単一の自治体ではできないことですので、このような結果を示すことは今後の防災対策に大変重要であると考えられます。この結果から、私たちも「想定には限界がある」事を念頭に置き、自分たちの暮らす場所働く場所がどのような場所なのか、日頃から知っておくことが大事だと思うとともに、災害時の社会活動についても考え直さなければならないと思いました。
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