ステロイドが増えて血糖値が上昇 脱毛治療薬で糖尿病に?
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日刊ゲンダイヘルスケア+
2019.04.24 UPDATE

髪の毛が薄くなって悩んでいる男性用の飲み薬として、「フィナステリド」(一般名、商品名プロペシア)と「デュタステリド」(一般名、商品名ザガーロ)の2種類が、お医者さんで使われています。この薬は男性ホルモンであるテストステロンが、より強力なジヒドロテストステロンになるのを妨害する作用があります。男性ホルモンは前立腺を大きくする働きがあるので、前立腺肥大症の治療薬として使われます。そしてもう一つ、男性ホルモンは脱毛の原因となるので、薄毛の薬としても使われているのです。
男性が気になる薬としてよく口にする通称「毛生え薬」を飲むと、糖尿病のリスクが上昇するかも??という記事です。
記事のもとになっているBritish English Journal をみるIncidence of type 2 diabetes mellitus in men receiving steroid 5α-reductase inhibitors: population based cohort studyという論文があります。この記事はこの論文をもとにしているものではないでしょうか。フェナステリドなどの5α-reductase inhibitors 投与群では、タムスロシン投与群よりも糖尿病のリスクが高くなる可能性を指摘しています。この調査は健常人での比較ではありませんので、今後のさらなる検証が必要と思われます。しかし、記事にもあるように、糖尿病に気を配ることは誰がしてもよいことですから、特にこの薬を使用することが想定される中高年の方は、薬の服用に関わらず、食事、運動など普段の生活の中で糖尿病にも気を配るとよいでしょう。
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