「粉末の水素水」発売 食べ物などに混ぜて利用
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岐阜新聞Web
2018.08.24 UPDATE

ミネラルウオーター製造販売の奥長良川名水(岐阜県関市)は21日、水素水を粉末にした新商品「ハイドロエッグ水素パウダー」の販売を始めた。水素が持続的に発生し、無味無臭であるのが特徴。味に影響を及ぼさないため、飲み物のほか、食べ物などに混ぜて利用できる。年間1万箱の売り上げを目指す。
水素水については何度か取り上げていますが、今度は粉末化した水素水が発売されたそうです。岐阜大と東京工科大との共同研究だそうですが、ふーん・・・・。
以前の記事(http://healthnudge.jp/11774)で中田先生もおっしゃっていますが、水素水の効能の多くは水分補給だそうで、それなら別に水素水じゃなくてもいいですよね。会社HPより(https://www.okunagaragawa.jp/SHOP/83.html)このパウダーの成分を見ても、ブドウ糖、難消化性デキストリン、マルトース/二酸化ケイ素、水酸化カリウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、L-トリプフトファン、L-グルタミンとなっており、一般的なスポーツドリンクでよさそうです。参考までに大塚製薬のポカリスエットの原材料は、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、果汁、食塩、酸味料、香料、塩化K、乳酸Ca、調味料(アミノ酸)、塩化Mg、酸化防止剤(ビタミンC)となっています。
またこの製品の特徴である、「水に溶かすと48時間以上水素が発生する」技術に該当する特許広報はこちらのようです(http://www.conceptsengine.com/patent/grant/0006261097)。マイナス水素イオンとか、聞いたこともない用語が出てくるんですが、特許としては認められてるんですよね・・・。
ちなみに特許権とは日本弁理士会によれば「特許権は発明を保護するための権利です。
発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、高度のものをいいます。」となっています。発明は自然法則を利用した技術的思想の創作ではありますが、そこに「科学的に再現が取れる」「ヒトで効果が示されている」といった要件は入っていません。つまり細胞でも動物実験でもともかく1度効果があるというデータを示すことができ、さらにそれが新規性や進歩性に優れていれば特許として登録されるにいたることができます。ですので、「特許取得」と「科学的なエビデンス」は全く別物だと必ず念頭においてください。この製品も製品化にあたり特許が取得されていますが、その特許の取得と健康への効果は全く関係ありません。
現在のところこのパウダーについては、記事と会社HPしか情報がありませんが、共同研究をしている大学のプレスリリースや原著論文なども気になるところですね。
「総合評価」に関して
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近藤尚己
東京大学 大学院医学系研究科 健康教育・社会学分野 保健社会行動学分野 准教授 医師 社会疫学者
デキストリンとかマグネシウムとかが入ってるので便秘がちな人に良さそう。でもそれは水素水に効能ではないですね。。
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