食塩の摂取量を減らすと医療費を削減できる 「減塩」の効果は大きい
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保健指導リソースガイド
2017.12.07 UPDATE

研究では、2型糖尿病患者が、食塩の摂取量を減らすと、血圧が低下し、尿中アルブミン排泄量が減少することが示された。この研究は米国糖尿病学会(AHA)が発行する医学誌「Hypertension」に発表された。 アルブミン尿検査は、糖尿病腎症の初期に尿中に出てくるアルブミンを高感度に検出する検査。アルブミンは生体内のタンパク質の成分で、体液の浸透圧を維持し、いろいろな物質の運搬を行う重要な物質だ。糖尿病腎症になって腎臓のろ過機能が低下した状態になると、本来ならば尿中へ排泄されないはずのアルブミン質が排泄されてしまう。
2010年に発表されたアメリカの研究でも、「1日あたり1gというわずかな減塩が2010年から10年間にわたって徐々に達成されるだけでも医療費抑制につながり、全高血圧患者への投薬よりも効果は大きいと考えられる。」とあります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20089957
減塩の効果はこのように示されていて、イギリスでは国を挙げた減塩対策が功を奏しているというのに、食塩摂取量の多い日本で減塩対策が軽んじられているのは大変残念です。
日本人の食塩摂取量は、蓄尿を実施して正確に調査すると、平均でおよそ13g。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25111316
早く対策をとる必要があること、そして実際に減塩できればその効果は大変大きいことを、多くの人が知る必要があるように思います。
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児林聡美
HERS M&S 代表、保健学博士、公衆衛生学修士(MPH)、農学修士
そうですね。あくまでも食塩摂取量が蓄尿で正確に測定されているわけではないため、換算の結果の摂取量には議論があると思います。ただ、ほかの国より日本で食塩摂取量の問題が大きいことは示唆できる結果だと思います。
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