尿酸値を下げる薬、90日使った男性は膀胱がんが2倍発生する?
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MEDLEYニュース
2016.03.30 UPDATE

尿酸値を下げる作用のあるアロプリノールは、痛風再発防止などのために広く使われています。副作用として消化器症状などがあります。がんとの関連がないか調べた研究から、膀胱がんとの統計的な関連が見られたことが報告されました。
タイトルだけを見ると、尿酸の薬に発がん性があるみたいですが、そうではありません。あえて誤解を招きやすいタイトルにして、人目に付きやすくしているのかもしれません。タイトルだけで惑わされないようにしたいですね。
この記事で紹介されている研究では、痛風の人の中でも、アロプリノールという薬を90日以上使った人でがんになりやすかった、という結果を出しています。しかし、痛風の人全体ではがんの発生が1000人あたり8.26人、痛風ではない人は1000人あたり7.49人と、大きな差はありませんでした。(正確には1000人年あたり罹患率ですが、だいたい同じ意味です)痛風の中でも薬を90日以上使った人限定で、がんが増えていました。記事の中に元の論文(英語)へのリンクもありますので、詳しく知りたい方は目を通してはいかがでしょうか。
痛風はお酒や肥満でなりやすくなる病気です。痛風の中でも薬を90日以上使う人はそれだけ重症であり、大酒飲みや肥満の割合が高いと思われます。そのため、がんが増えたとしても薬のせいではなく、痛風になりやすい原因とがんになりやすい原因が共通しているから、というほうが妥当に思います。また、痛風を治療しないと脳卒中、心筋梗塞、腎臓病など、命に関わる病気に繋がります。よって、仮に痛風の薬に多少の副作用などがあっても、治療した方が得になることのほうが多いでしょう。
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